2020.8.13 シアタークリエ
中川翔子ちゃんクレア回を見てきました。
こんにちは。はじめまして。
バッドエンドが苦手なハピエン厨です。
メイビーハッピーエンディング、「メイビー」なんです。察しろというタイトルなのかな…ってドキドキしながら見に行ったよ。
1年前の公演だけど一応ここからネタバレしてます。ご注意ください。
結論。ハッピーエンドかどうかは人それぞれの解釈による!
とりあえず生舞台、私はこの公演が人生で1番泣いた。引くほど号泣した。コロナ対策で座席も左右が空いていてマスク必須。きっと全席埋まっていたらお隣さんに咽び泣く声が聞こえてたんじゃないかなって思う。
最近見た舞台、何故、DVDが出ない。 私が2.5次元舞台ばかり見過ぎてたせいかもしれないけど、小劇場の作品ですら物販で記録DVDを売っていたじゃない。何故。権利?原作が海外だから?お金?オマージュがだめ?「何故円盤化されない」ってタイトルで曲が出てもおかしくないよ。作ろう。買うよ。
今作はヘルパーロボットっていうアンドロイドが人間のお世話をする未来のお話。ロボットだから充電で生きていくしどんどん新しい機種が作られていく。機械が壊れるまで動き続けるロボットは人間より長生きだから雇い主が居なくなったらヘルパーから解任されていく。でもそれを「受け入れる」ってプログラムされているから人間を恨んではいないし、ヘルパーロボットは人間が好き。
お世話する人間が居なくなっても破棄されるようなことはなくて「古いロボットが暮らすアパート」で、壊れる瞬間が来るまでひたすら生きてる。
ロボットだけどみんなそれぞれ性格は違って、浦井健治さん演じるオリバーは人見知りで内向的な印象だけど中川翔子ちゃんが演じるクレアは明るくて天真爛漫な女の子っていう感じ。同じロボットの友達もたくさんいるみたいで、周りのロボットと関わろうとしないオリバーにもぐいぐい話しかけていくのね。
自分の部品が壊れたら修理してくれる友達がいて、遠出したい時に車を貸してくれる友達がいて、欲しい本も買えるし郵便も来るし、それなのに人間の家族はいない。だからお世話をする仕事はない。仕事がないからロボットは不要で、不要なロボット専用アパートで暮らしていかないとダメで、そのアパートから15kmは離れちゃいけないって法律があるんだって。勝手にお金も稼いじゃだめなんだって。
いやもう設定が悲しい。
なんでお世話をさせるロボットに感情を与えた?性格を作った?人間はなんて身勝手で愚かなんだ…ってもう冒頭の世界観を理解したあたりで心臓が痛くて。作中に嫌な人間っていうのは描写されないんだけど、それこそがロボット側からみた世界のような雰囲気があって。あの作品ヘルパーロボが脚本書いたんじゃない?
オリバーと2人きりで暮らしていた元の主人ジェームズは、体調を壊してしまって、オリバーを残して家族のところに帰る選択をする。必ず迎えに来るからって約束したから、僕は捨てられた訳じゃないって長い間ずっとずっと待ってる。
クレアはオリバーの話を聞いて本当は捨てられたのにそれを受け入れられないんだって思っちゃうんだけど、こっそりジェームズに会いに行く資金を集めてるのを知って、だったら一緒に会いに行こう!って言ってあげるのね。それはきっと現実を受け入れないといけないっていう意味でもあったんだけど。
このあと2人は一緒に冒険してどんどん仲良くなっていって、最後は恋人になるんだけど「恋に落ちた瞬間」ってどこだろうなって思うとやっぱりクレアの「ジェームズに会いに行こうよ!」って瞬間じゃないかなって思うんだよね。
でもきっとその時オリバーはまだ自分がクレアを好きになってることに気づいてなくて「私の事好きならないでよね」「ロボットが恋に落ちたらダメなの」って言われてもまだピンときてないの。淡々と自分の世界だけで生きてたのにバーン!と扉を開けられて突然光がさすというか、未来が一瞬で変わる瞬間。その後小さな事がちょっとずつちょっとずつ積み重なっていって、小さな「好き」が大きな「愛」に変わっていくのかなって思うんだ〜〜これぞ純愛〜〜〜〜ありがとう。純愛大好き。全く関係ないけど映画「電車男」のえるめすたんがちょっとずつ電車男を好きになっていく描写が好きです。付箋、角砂糖、大きなきっかけから小さなポイント。
ジェームズに会いに行った2人。クレアは残酷な現実が待ってると思っていたけどジェームズは本当にオリバーを迎えにいくつもりで、でもそれは叶わず亡くなってしまっていて。ジェームズの家族のところには最新機種のヘルパーロボットがいるからオリバーはいらないんだって。アパートに帰りなさいってジェームズの形見を持たせて、オリバーの話は聞いてたよ君に会いに行くって言ってたよって言ってくれるんだけど。
え、ジェームズを待ってるオリバーの事を知ってたのにどうして連絡をしない…?
ここはね、ちょっと悲し過ぎて耐えられなかったね。
感情豊かで、笑ったり怒ったりもするし、自発的に行動してこんな遠くまで元主人に会いに行く!って冒険もしてるのにロボットはロボットで人間は人間。この世界には絶対的な線引きがあって、いらないロボットを施設に入れてお別れするのはスマホの機種変更したら古いものは返却するっていう感覚に近いのかなって思った。
それでもロボットは大好きな主人の事を何年も何年もずっと覚えていて、ずっと大好き。そうプログラムされてるから。
2人が恋人になってからは新しい生活が始まって、穏やかに愛情を育んできたけどロボットだからいつかどちらかが先に壊れちゃう。オリバーは耐久性の高い機種で、クレアは機能性豊かだけど壊れやすい。きっと私の方が先に壊れちゃう、いつ壊れるか分からない恐怖を抱えて生きるのもオリバーを残していくことも耐えられない。
だから一緒に記憶のデータを全部初期化しようって。
出会う前の2人に戻ろうって決断して一緒に初期化する日を決める。
この後の解釈が人それぞれ別れる部分で、本当に2人はデータを消してしまったのか。消さずにまた出会いからやり直したんじゃないか。どちらとも言えるし、記憶を消して恋に落ちてまた記憶を消して、何度も繰り返してるんじゃないかってループ系な解釈もできるなって思った。
どっちでもいいさ、幸せになってくれ。
クレアが「ロボットが恋に落ちたらダメなの」って言ってる部分と、クレアの元主人の話があまり出てこなかった事もあって私は勝手にクレアは元主人に恋してたんじゃないかなって思ってて、それを確かめる為にももう一度見たい。
翔子ちゃんは安定の可愛さだった…元々がお人形さんみたいなお顔立ちだからロボット役がぴったりだったね。未来要素なのかシルバーの靴とか充電器可愛かった。対してクラシカルなオリバーも機種の違いが感じられて良かった。昔流行ったガラケー擬人化(?)思い出しました。
楽曲もずっと頭に残る。
歌詞ももう切なくて切なくてYouTubeの映像を見るだけてフラッシュバックして泣きそうになるので耐性つけるためにもDVDください。何度も言うの申し訳ないからもう円盤化希望に改名しようか。メイビー私の名前で察してください。
浦井さんの舞台は初めてだったけど、演技も歌唱も素晴らしい〜〜〜!!翔子ちゃんとの高音ボイスのハモリが美しくて美しくて涙出ました。あと浦井さんどこかで見たな、と思って探したら勇者ヨシヒコのミュージカル回に出てましたね。見てました。あの歌も大好きです。
韓国で大ヒットなの分かる!素晴らしい作品でした!
記憶が無くなっても、覚えていても、ふたりがこの先一緒に暮らしていけるなら私にとってはハッピーエンディング!!
※舞台のストーリー、設定などは当日見た限りなので、記憶違いなどがありましたらごめんなさい!